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朗読教室 受講生による第十二回朗読会

出演者
カンナ/岩本りか/山本ゆき子/平野雄一/洋恵/北山阿梨
出島ひろ子/辻あきこ/垣内浩子/たなかかず/本田愛子


日時:2012年4月22日(日)14:30スタート
入場料:無料
会 場:NIJO poco a poco HALL
     tel 075-231-2993 京都市中京区西ノ京職司町8-2 (JR.地下鉄「二条駅」徒歩4分)
 


朗読:カンナ
作品:『羅生門』 (芥川龍之介 著)

【本人のコメント】
名文といわれる『羅生門』は朗読するには、非常に難しい作品ですが敢えて挑戦してみようと思い選びました。自分の声の質や音量からして迫力が出せるかどうか、悪戦苦闘しながら頑張ってみたいと思っております。




朗読:山本ゆき子
作品:『乙姫さんと三日月と』 (石牟礼道子 著)

【本人のコメント】
この国の近代とは何であったかと、石牟礼道子は問い続ける。封建時代は負の要素ばかりではなかった。繊細で悲しく美しい数多くの物語を、あわただしく踏み越えて、時代が進んでゆく。忘れてはならない大切なものを、朗読を通じてたしかめたい。




朗読:平野雄一
作品:『モー将軍』 (田口犬男 著)

【本人のコメント】
「モー将軍」は田口犬男さんという詩人の作品です。僕は以前からこの作品が、いや、この作品ももちろん好きなのですが、ここに出てくるモー将軍が気になって仕方がありませんでした。何せモー将軍です。

なんなんだろうか、一体と思って、読み返す毎にモー将軍は極めてモー将軍らしく振舞ってくるのです。この作品を声を出して読ませてもらえる機会が頂けて、とても嬉しいなあと思います。緊張しますが、頑張りたいです。




朗読:辻あきこ
作品:『プリズンホテル 春』 (浅田次郎 著)

【本人のコメント】
表題の作品の一部を抜粋したのですが、倒産寸前の小さな会社を経営する競馬好きな男と50年間刑務所に入っていた老人とのやり取りが面白いと思い、この部分選んでみました。

読んでいると二人ともどこか憎めなくて「人って捨てたものじゃないよな」と思え、温かい気持ちになりました。そんな雰囲気が伝わればいいのですが……。




朗読:たなかかず
作品:『神様捜索隊』 (大崎善生 著)

【本人のコメント】
「一緒に神様を探してみませんか」町内会ニュースに載ったお知らせ。春恒例のツアーに陽子は出かけた。僕は一歳になった美奈と留守番をする羽目に…。でもそのおかげで、家族のしあわせを実感できたんだ。

夫婦の何気ない会話が難しく悪戦苦闘中です。今っぽい夫婦の会話再現なるか…大きな課題の一つです。




朗読:本田愛子
作品:『恋の後の五目ちらし』 (角田光代 著)

【本人のコメント】
初参加で朗読させていただく作品は、角田光代さんの短編集「彼女のこんだて帖」から。かつての自分が思い描いた「未来」とは全く異なる「現在」を生きる日常の中で、大切な人との食事を通して、小さくて大きな発見をする主人公。「生きるって食べること」だなぁ・・・という思いをこめて、お送りします。

 



朗読:岩本りか
作品:『緑色のギンガムクロス』 (江國香織 著)

【本人のコメント】
ある日突然、朝の目覚めとともに、天の声が。今までの私にはあり得なかった「朗読」というキーワードが頭に浮かんだのが半年前の朝。そして素晴らしい仲間と出会えて、朗読の時間を共有させていただくことになり、なにもかもが新鮮で刺激的な世界にカラダと心が喜んでいるのを実感している日々です。

初めての発表会に選んだのは『緑色のギンガムクロス』江國香織さんの作品です。私の中で映像がはっきり観える作品です。六才違いの妹がいる私には共感する部分もあり、初の発表会に相応しい作品かなと始めは意気込んでいたものの、練習するにつれて壁にぶつかることばかりですが、大好きな作品なのでチャレンジします!




朗読:洋恵
作品:『いつかはきっと』 (落合恵子 著)

【本人のコメント】
人生の午後を歩いている今のわたしが、静かに強く心を揺さぶられたエッセイです。「いつか…」を待つのではなく、「いま!」の一歩を踏み出す。皆さんの心に「大切なひと」「大切なこと」を想い描いていただけると嬉しいです。




朗読:北山阿梨
作品:『アメイジング・グレイス』〜虹の岬の喫茶店より〜(森沢明夫 著)

【本人のコメント】
今回の作品は、前回の朗読会で読んだ「ラヴ・ミー・テンダー」と同じ「虹の岬の喫茶店」に収録されている「アメイジング・グレイス」という作品です。若くして妻を癌で亡くした男が、一人娘と「虹を探す冒険」に出かけ、岬の上の喫茶店にたどり着きます。春の木漏れ日のように心がほわっと暖かくなる作品です。




朗読:出島ひろ子
作品:『鮒』 (向田邦子 著)

【本人のコメント】
「鮒」は小説新潮のシリーズ『男(お)どき女(め)どき』の第一作で、四作を書き終えたところで向田さんは不慮の事故で亡くなってしまいました。男時とは運の向いている時、女時とは運の悪い時の意味で世阿弥の「風姿花伝」からの言葉だそうです。向田さんの作品は、人情の機微に触れ、日頃の生活の一部分を思い起こさせます。

作品は、日曜日の家族団らんに突然飛び込んできた一匹の鮒。この鮒の出現をもとに四人家族、夫と妻と長女と長男の性格が書かれています。本来なら深刻な話になるところをここではさらりと難なく切り抜けるところは、夫にとっては男どきだったのでしょうか。




朗読:垣内浩子
作品:『いるか療法―≪突発性難聴≫』 (山本文緒 著)

【本人のコメント】
いつも発表会では作品選びに悪戦苦闘する。作品が見つかってもそれを朗読8分の台本に仕上げるのにも悪戦苦闘する。今回の作品は題名がもう一つ好きになれないのだが!?

未熟で不器用な30歳の私は未熟さゆえに懲戒免職となりもがきながら、「聴こえる耳を準備して」と何とか前向きに足を一歩踏み出そうとする主人公。

色々なものが芽吹きだす春。そんな春に似て、ほんのちょっぴりだけれど芽をだそうとしている主人公にちょっぴりと頬笑んでみたい。と私は思っている。