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    佐野真希子朗読教室 受講生による第十六回朗読会

日時:2014年1月13日(月・祝) 12:30開演

入場料:無料
会 場:京都市北文化会館 創造活動室3F
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出演者
 洋恵 愛子 安東ひろみ 井田陽子 岩本りか
 奧野由里子 垣内浩子 河村聡子 SARA
 TAKESHI 辻あきこ 出島ひろ子 長岡孝美
 中野海帆子 比果憲子 平野雄一 山本ゆき子

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京都朗読LABユニットによる朗読劇
『ニシンのジャム』

 朗読=岩本りか 坂本美夕 末冨喜子
     辻あきこ 長岡孝美 洋恵
 演出=佐野真希子
 原作=マイケル・ギルバート



 

朗読発表会『想紅』朗読作品 @
朗読:井田陽子
作品:「かぼちゃのなかの金色の時間」 角田光代 著


朗読者コメント:
「かぼちゃのなかの金色の時間」は、角田光代さ んの小説「彼女のこんだて帖」のなかの一編です。この小説は、連 作短編集で、お話の中の脇役が、次のお話では主人公となって、つ ながっていきます。しかも巻末に、それぞれの話に出てくる料理の レシピついているというユニークな構成になっています。
読んでいると、食事って、その人の生き様が表れるものなのかもし れないなぁと、思わされます。


朗読発表会『想紅』朗読作品B
朗読:洋恵
作品:「最初の質問」長田弘 著


朗読者コメント:
立ち止まることも忘れ
走り続けるあなたへ


家族のしあわせを
一番に考えるあなたへ


大好きな花の香りを
思い出せないあなたへ


そんなあなたに問いかけます
あなたの中に
答えがみつかりますように


朗読発表会『想紅』朗読作品D
朗読:山本ゆき子
作品:「姉妹芸者」自作散文詩

朗読者コメント:
大正末期から昭和初期にかけては、日本の伝統文化の全盛期だった。着物文化は、その時代が最高とされると聞いたことがある。
その時代に、貧家に生を受けた二人の姉妹が、芸妓として精いっぱい生き抜いた。これは老いた「姉」が語る、「妹」の身の上話である。

朗読発表会『想紅』朗読作品F
朗読:辻あきこ
作品:「箱のはなし」明川哲也 著

朗読者コメント:
今回朗読させて頂く作品は、東日本大震災の復興支援として出版された「ろうそくの炎がささやく言葉」の中の一編で、ちょっと不思議なお話です。

箱が不足しだして皆が困っていたら、箱の養殖という発明がなされ、皆が箱を育てることになるのです。そして、箱を育てることになった1人の女の話が始まります。

作者は「存在は非存在の産物。だったらきっと失われた場所や、無だと思われるところからまた物語が始まるはず」との思いでこの作品を書いたとのことです。

朗読発表会『想紅』朗読作品H
朗読:奥野由里子
作品:「四又の百合」宮沢賢治 著

朗読者コメント:
この教室に通い始めたばかりの、青春も佳境に入った大学4回生です。人前で何かをするのは久しぶりなので、緊張しています。

さて、今回私が読むのは、もともとあった仏教童話を賢治がアレンジして書いたお話です。正?知(仏陀の一名称)を町に迎え入れる準備をする人々の「心の清らかさ」がテーマです。解釈をするのに、私自身の“ピュア”不足を感じざるを得ませんでしたが、楽しく賢治ワールドを堪能できたと思います。

聞いていただく皆さまには、お話のファンタジー性と登場人物のリアリティを味わっていただければ幸いです。

朗読発表会『想紅』朗読作品J
朗読:長岡孝美
作品:「カブと風邪」阿川佐和子 著

朗読者コメント:
今回の作品は、阿川佐和子さんのエッセイ「残るは食欲」からを選びました。このエッセイはタイトルからも想像できるように、食べることを題材にしています。

この作品では、「カブと小松菜」が出てきます。野菜好きの私は、カブも小松菜も大好きで、興味をかきたてられました。話の中心はカブで、この中に出てくる「カブのスープ」は私もよく作ります。寒い冬には、とても温まります。それから、「カブの葉と大根の葉の違いについて思うところがある」という箇所があります。私は「たしかに、そうかも」と思いました。思うところというのが何かは、お楽しみに。

そんなこんなで、気楽な感じで聞いていただけると幸いです。

朗読発表会『想紅』朗読作品L
朗読:河村聡子
作品:「みどりのゆび」吉本ばなな 著(現・よしもとばなな)

朗読者コメント:
人から言われた言葉で、自分が考えもしなかった人生を選択する事があります。それが、心から大切に思う人の最期の言葉だったら、なおさら。
祖母が孫に託した思い、心の遺産。祖母の立場に立って、あるいは孫の気持ちに寄り添って聞いて下さい。

朗読発表会『想紅』朗読作品N
朗読:中野海帆子
作品:「オルゴール」川上 弘美 著

朗読者コメント:
観光地や名所へ、気のおける仲間と足を伸ばしてみる。景色を眺めながらみんなで写真を撮ったり、美味しい料理に舌鼓を打ち、仲良くおしゃべり。
親しい人たちとの旅行というのは楽しいものです。
そしてそんな連れ立って行く賑やかな旅とは違った趣きがあるのが一人旅。
今回読むのは、何の気なしに小さな旅をすることになった、一人の女性のお話です。
少し寂しくなって、でも妙にすっきりするのです。
読み終わるとどこかに出かけたくなってしまいました。そんな作品です。
朗読発表会『想紅』朗読作品P
朗読:安東ひろみ
作品:「ビロードのうさぎ」マージェリィ・W. ビアンコ 著(翻訳 酒井駒子)


朗読者コメント:
作品の中で「本物ってどういうこと?」と、うさぎのセリフがあります。
本物って何なのか?目に見えるものではない何か、そういうことを考えさせられる作品だと思います。


朗読発表会『想紅』朗読作品A
朗読:愛子
作品:「いつも通り」本谷有希子 著

朗読者コメント:
今回は、劇作家・小説家:本谷有希子さんの短編集「嵐のピクニック」から選びました。動物園の猿山で暮らすマゴッチギャオたちの群れに、一匹の新入りがやってきました。彼はギャオたちとは「ちょっと違う生き物」のようです。さぁどう違っているのか?そして、作品タイトルの「いつも通り」とは?

楽しい調子のお話ですが、ただ楽しいだけではないところを、一緒に感じていただけたらなぁ・・・と思っています。「人間たち」の一人として・・・☆

朗読発表会『想紅』朗読作品C
朗読:SARA
作品:「ボクの穴、彼の穴。」
原作/デヴィッド・カリ セルジュ・ブロック
翻訳/松尾スズキ

朗読者コメント:
原題は「L'ennemi(敵)」、英語では「the ENEMY: a book about peace」。世界で訳されるフランスの絵本です。 「ボク」はひとりでいろいろ考えます。「彼」のことは、会ったことはないけれど、知っているつもり。そんな「ボク」の独り言の物語です。

朗読発表会『想紅』朗読作品E
朗読:比果憲子
作品:「吉四六さん」民話

朗読者コメント:
吉四六さんは私の古里の大分県の代表的なおどけ者の一人で、小さい時から吉四六さんの話を聞いて育ちました。吉四六さんはこっけいなことをしたり、とんちを働かせたり、時にはずるかしこくふるまったり、でも、弱い者にやさしい温かい人柄で、私は大好きです。
大分の方言を大分に住む姉に確認しながら、原稿をつくりました。大分の方言も一緒にお楽しみください。

大分の方言      標準語
むげねえ   =  かわいそう
なんちえ   =  何で
どげえやっち =  どのようにして

朗読発表会『想紅』朗読作品G
朗読:出島ひろ子
作品:「てんのり」三浦哲郎 著

朗読者コメント:
青森県八戸生まれの作者、三浦哲郎は3冊のモザイク短編集のなかで出身地の東北弁を使った作品を何編か書いている。何度かこの中の作品を朗読したいと思っていて、いつもこの方言の壁にぶつかり諦めていた。

しかし、どうしてもこの「てんのり」だけは読んでみたい!と思いネツトで調べたり、テレビで放送される東北弁を聞いたりしながら自己流の東北弁で朗読した。

その後東北弁の作品は「てんのり」「おぼしめし」「ぜにまくら」を朗読した。今日の「てんのり」は二度目の朗読です。東北北部の農村に住む仲の良い老夫婦の話で、ある日、83歳の夫が突然姿を消した。理由は……。
切なくて、愛おしくて、この話が私は好きです。

朗読発表会『想紅』朗読作品I
朗読:垣内浩子
作品:「夢十夜 第一夜」夏目漱石 著

朗読者コメント:
発表会参加が今回で11回目になる。そこで1回目の時に朗読した夏目漱石作「夢十夜第一夜」を朗読してみたいと思った。自分自身の変化を確かめたいと…
しかし変化している筈なのに、その時の癖がなかなか拭えない。
前回はただきれいに朗読することしか考えていなかったと思う。今回は幻想的な夢の世界を聴いて下さる方と共有し、信じることにほのぼのとした暖かさを感じるような、そんな朗読が出来ればと思っているのだが…。

朗読発表会『想紅』朗読作品K
朗読:平野雄一
作品:「告知」ニュージェント・パーカー 著(翻訳 西崎憲)

朗読者コメント:
「図書館の中を男は無言でさまよい歩いていた」日々たくさんの人々と擦れ違いますが、その人達が抱えている事情について、知らずに通り過ぎていくということが大半です。さて、この物語の男性は一体何を抱えて図書館の中をさまよい歩いているのでしょうか。1920年から30年代にかけて人気があったイギリスの作家 ニュージェント・パーカーの作品です。

朗読発表会『想紅』朗読作品M
朗読:TAKESHI
作品:自作詩

朗読者コメント:
しばらく詩など書いていませんでしたが、最近、また書きたくなりました。書いてみると、今度は人に聞いて欲しくなります。聞かされる方はいい迷惑かもしれませんが…という訳で、皆さんの迷惑をかえりみず、自作の詩を読ませていただきます。

朗読発表会『想紅』朗読作品O
朗読:岩本りか
作品:「涙」伊勢華子 著

朗読者コメント:
この作品は、伊勢華子さんの「せかいでいちばん美しいもの」のエッセイから選びました。作者が旅をしているときにちょっとしたきっかけで出合ったアイヌの風。そこから始まる小さな出会いのストーリー。

旅の中で、また日常生活の中でも、何げない出合いからずっと心の奥底にひっかかって残っていること、そんなことがきっかけで新しい世界が広がっていったりします。小さな時間の欠片が、自分のなかでふくらんでいく樣、偶然の出逢いから感じる作者の想いを、みなさんに感じ取っていただければいいなと思います。

全てのモノに魂や神が存在するとアイヌでは考えられています。「良い魂を持つ人が作るものには良い魂が宿る」と伝えられており、アイヌ文様には愛するヒトを悪いコトから守るための魔よけの意味もあるそうです。