これまでの朗読発表会



「 寒い冬に、のんびりと朗読はいかがですか? 」
グラス・マーケッツの佐野真希子が講師をつとめる朗読教室。その受講生による発表会も第18回を迎えます。一作品8分程度で、小説やエッセイ、童話など様々なジャンルの作品を朗読。出入り自由で無料ですので、是非お気軽にお立ち寄りください。





日時= 2015年1月31日(土)13時開演 (12時30分開場)
料金= 無料
朗読= 第一部 13:00~  洋恵/澤村かおり/愛子/おおつかまりこ/長岡孝美
第二部 14:00~  尾関朋子/山本ゆき子/比果憲子/中島育美/高田未来
第三部 15:00~  辻あきこ/井田陽子/田中直実/平野雄一
音楽= 原澤孝之
会場= 京都市北文化会館 創造活動室3F
http://www.kyoto-ongeibun.jp/kita/map.php
〒603-8142 京都府 京都市北区小山北上総町49番地の2
TEL=075(493)0567
朗読:洋恵  作品:「男たちへのラブレター」 落合恵子 著
朗読者コメント
ひととひとは、何でつながっているのか  つながる「何か」があれば つながる「何か」を 大事にしていられたら こころ ぬくもったままでいられそうです。大切なものを 大切なひとを 失くさないために。

朗読:澤村かおり  作品:「花火」 内田百閒 著
朗読者コメント
明治・大正期の作品が好きなので、その時期に書かれた短篇を探しました。「花火」は唯一読み易そうだと思って選んだ作品でしたが、練習してみるとそんなことはありませんでした。初めての発表ですがよろしくお願いします。

朗読:愛子  作品:「月の輪草子」 瀬戸内寂聴 著
朗読者コメント
前回は、沖方丁さんの「はなとゆめ」より、八年間の宮仕えを終え、宮中を去った頃の清少納言が語る思い出話の中から、枕草子の題名の由来部分を朗読させていただきました。今回は、さらに時を経て老境に至った清少納言が、人生を振り返り語る瀬戸内寂聴さんの「月の輪草子」より、一部分を朗読します。そこに投影されている寂聴さんの心境もあわせてお届けできれば・・・と思っています。

朗読:おおつかまりこ  作品:「夢十夜・第一夜」 夏目漱石 著
朗読者コメント
夏目漱石の夢十夜は、幻想的なお話ばかりですが、なかでも第一夜は、死んでゆく若い女、星のかけら、月の光、貝殻、匂い立つ真っ白な百合の花、などイメージがとても豊かだと思います。この不思議な美しさに惹かれて、読んでみたいと思いました。まだ朗読を始めて日も浅いのですが、少しでもこの独特の雰囲気を壊さないように読めたら!と思っています。

朗読:長岡孝美  作品:「名前」 角田光代 著
朗読者コメント
今回の作品は、短編小説Presentsの中から選びました。この短編小説は女性が一生の間に、親、友達、恋人、子供などからもらう様々なプレゼントをテーマにしています。 「名前」は、生まれてはじめて親からもらうプレゼントです。主人公は何も考えずにつけられたと思う自分の名前が、地味で年寄りじみていて嫌いと思っていました。しかし、生まれてくる子供の名前を考えていくうちに、本当はこうやってつけられたという背景を知り、親への感謝へと変わって行きます。そして、子供へ「あなたがあなたであるとだれかが認識してくれる名前」をプレゼントしようと思うようになります。かたちはないですが一生残るプレゼントである名前は、大切にしていきたいと感じさせられました。このストーリーを聞きながら、自分の名前のエピソードなどを思い返し聴いていただけたらと思います。

朗読:尾関朋子  作品:「リエット」「瓶詰めチェリー」 杉浦日向子 著
朗読者コメント
お酒とつまみにまつわる短編を2つ朗読します。『日常のいろいろな事も、美味しいお酒と極上の珍味を前にすれば、瞬時に忘れることができる』という、アルコールがあまり飲めない私にとっては、未知の世界の話です。楽しそうに酔う人たちを眺めつつ、いつかこんな風にお酒を飲めれば、という微かな希望を込めて、この作品を選びました。

朗読:山本ゆき子  作品:「ブッダガヤの犬」 自作エッセイ
朗読者コメント
インド巡礼の旅の途上で、私は釈尊が悟りを開いた地であるブッダガヤを訪ねた。疲れきっていた私は、土地の「押しかけガイド」に会う。彼は流暢な日本語を話し、安宿に案内して、親切に介抱してくれた。起きあがれるようになると、彼は釈尊ゆかりの聖遺跡を案内してくれた。報酬を尋ねると、「あとで、友だちの店で買い物をしてほしい」と言う。心細い身の上の私は、緑ゆたかな田園風景に面した宿の中庭で、一匹の犬と目が合う。犬は私の心細さがわかるかのようだった。世界の中に、犬と私しかいないような、不思議な時間が流れる。

朗読:比果憲子  作品:「死体蝋燭」 小酒井不木 著
朗読者コメント
今回は私にしては、めずらしくちょっと怖いお話です。和尚さんと小坊主のお話ですが、どこまでそれぞれの登場人物の気持になりきれるか、挑戦します。 種明かしの最後まで聞いて下さい。宜しくお願い致します。

朗読:中島育美  作品:「彼女の彼の特別な日・彼の彼女の特別な日」 森絵都 著
朗読者コメント
バーで出会った女性と男性……同じその場にいて会話をしている二人ですが、抱えている事情、気持ちは当然違うわけです。この物語を読んで、私たちも同じ場にいても「それぞれに感じ、考えていることは違う」ということをあらためて思いました。でもついつい、自分の視点で物事を考えがちだなぁ~とちょっと反省もした私です。この作品で、女性、男性のそれぞれの気持ちをうまく表現できればいいなぁと思っています。

朗読:高田未来  作品:「朱塗りの三段重」 江國香織 著
朗読者コメント
かわいくてやさしい自慢の妻・菜美子が、初のおせち料理作りに挑戦。結婚を反対していた僕の両親に「いい妻」であることをアピールしたいのは山々だが、受け入れ難い彼女の欠点とは…?

朗読:辻あきこ  作品:「刑事と称する男」 星新一 著
朗読者コメント
発表会のときに短い作品を選ぶのに、毎回苦労しています。そこで、ショートショートで有名な星新一さんなら短いだろうと思って作品を探してみたのですが、すごく短いと思っていた星新一さんでさえ、かなり削らないと時間内に収めることができないことに----。ちょっと苦労して短くした今回の作品は、刑事と称する男達が繰り広げるドタバタ劇です。テンポよく朗読して、ストーリーの展開を楽しんでもらえたらいいなと思っています。

朗読:井田陽子  作品:「おさかなの手紙」 別役実 著
朗読者コメント
この「おさかなの手紙」というお話は、劇作家で童話作家でもある、別役実さんの作品で、童話集「おさかなの手紙」の中に収められています。別役実さんの童話は、ブラックユーモアや、毒のあるストーリーも多いですが、この「おさかなの手紙」は、おだやかで、ちょっと昔の人形劇を見ているような、レトロな感じのするお話です。登場人物や固有名詞がすこし独特で、童話って、おもしろい音の響きも、魅力のひとつだなあと、思いおこさせてくれます。

朗読:田中直実 作品:「まじょのかんづめ」 佐々木マキ 著
朗読者コメント
女の子と犬が、いつものように森を散歩していると、見かけない家を見つけました。ついつい勝手に中に入ってしまった二人。そこには変な彫刻やたくさんの缶詰めがありました。その缶詰めの中から、何やら声が聞こえてきます。缶詰めの中には何が入っているのでしょう?謎の彫刻の正体は?この家は誰のものなのでしょう? 『ぶたのたね』『おばけがぞろぞろ』など、数々の名作絵本を生み出している佐々木マキのシュールでかわいい絵本の世界を、声とBGMで表現したみたいと思います。

朗読:平野雄一  作品:「静かな次郎さん」 自作短編
朗読者コメント
近くにある商店街を行くと、面白屋書店という看板が目に入ります。もう商売はされていないようで看板ははがされて、その跡が残っています。いつも通る度に面白い店の名前だなあと思っていました。そういう事もあり、今回面白屋書店を舞台にした話を朗読します。話の中に出てくる面白屋書店は実際にある面白屋書店ではありません。あくまで僕の空想によるものです。僕は本屋さんのあの静かな感じがなんとも好きです。そんな静かな本屋さんにやってくる静かな次郎さんのお話し、お楽しみ頂けましたら幸いです。