【作品紹介その2】佐野真希子より (10.8.5)
前回に引き続き作品について。
『富士子』は『富士子 島の怪談』に収録されています。 「本邦唯一の怪談専門誌」である『幽』の2009年「第4回『幽』怪談文学賞」の受賞作品です。
『幽』という雑誌もちょっと知らなかったのですが、検索してみるとWEBでも読者投稿怪談などもやってますね。怖いのが好きな方は一度チェックしてみても。
『幽』サイト→http://www.mf-vinci.com/yoo/index.php 綾辻行人さん、京極夏彦さん、小野不由美さん、謎の覆面作家の山白朝子さん、有栖川有栖さん、福澤徹三さん、平山夢明さん、小池壮彦さん、安曇潤平さん、工藤美代子さん、加門七海さんなどが怪談作品を連載。そしてこの怪談文学賞審査員は、小説家の京極夏彦さん、岩井志麻子さん、南條竹則さん、漫画家の高橋葉介さん、そして編集長の東雅夫さん。
『富士子 島の怪談』に登場する富士子さんは審査員でもある岩井志麻子さんがモデルなんですって。いや、本作家の谷一生さんは岩井に会ったことがないそうで、「岩井さんの作品世界から受ける印象が」モデルとおっしゃってます。『富士子
島の怪談』は短編といっても10分では読める長さではないので、今回は抜粋です。是非実際に読んでみたいと思っていただける朗読になったらと思います!
あ、朗読の北山さんに頑張ってもらいます!!(笑)
『幽霊滝の伝説』『おかめのはなし』はすでに怪談の古典とも言えます小泉八雲、ラフカディオ・ハーンの作品です。
一般的に知られているラフカディオは彼のミドルネームで、本当はパトリック・ラフカディオ・ハーン。怪談の王道となる作品を清野さん、出島さんがそれぞれの持ち味で朗読されます。清野さんは先日「講談風など、どうでしょう?」とレッスンでは色々なアプローチをしているわけですが、本番はどんな感じになるのか楽しみですね!
『地下のマドンナ』は1998年に出版された『異形コレクション 1 ラヴ・フリーク』におさめられています。
以前、私もこの中に入っている皆川博子さんの作品を朗読したことがあります。このシリーズ、1が「ラブ・フリーク」で2が「侵略!」3が「変身」などテーマに沿った恐ろしい感じの作品が入ってます。
さて、作家の朝松 健さんについて、私は知識がないものですから、とりあえずウィキペディア検索(笑)
簡単に引用をさせていただきます。「怪奇小説の翻訳出版に従事しながら、西洋魔術関係の記事・著作を多数発表。西洋魔術についての知識を日本に体系的に紹介したのは彼をもって嚆矢とする。」とのこと。
熱狂的ファンの人がたくさんいらっしゃるんだろうな、と。私が普段、あまり読まない系統の本ですが、なんだか長編を読んでみたくなりました。そして、へえ〜!、と個人的に思ったことが。
「最近の小説やゲームで頻出する魔術関係の単語(例えば召喚魔術の「召喚」など)は彼が原典から邦訳・造語したものである。」
この作品は患者、看護師、医者の3人が順に語っていくのですが、朗読するたなかさんは、こんなキャラにしようか、あんなキャラにしようかと仕上がりが楽しみな演技です!
本番まで後3日!!
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