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    朗読教室 受講生による第八回朗読会

作品テーマは「favorites」。
読み手それぞれの「お気に入り」作品の朗読を。


出演者(50音順)
垣内浩子/金木美穂/カンナ/清野健太郎
たなかかず/辻あきこ/出島ひろ子/


日時:2010年11月21日(日)14:00スタート

入場料:無料
会 場:NIJO poco a poco HALL
     tel 075-231-2993
     京都市中京区西ノ京職司町8-2
     (JR.地下鉄「二条駅」徒歩4分)
 

写真:藤田直子
 


(講師 佐野真希子より)

8回目となった発表会、最近はすっかり観客となって楽しんでいます。初めて参加の方もいらっしゃいますが、みなさんこつこつと練習を積み、発表会の回数を重ねるにつれ、上達していることが本当に嬉しい限りです!

みなさん本番の方が練習より良い!! これは性格でしょうか(笑) そしてなんとも上手い具合に、色々なジャンルや雰囲気の作品が題材となっているので、一つの朗読会としていい感じだなあ、と。

あ!またすっかりお客さんになってしまって(笑)

作品は参加者の方自身で選ぶので、全体を考えてという訳ではありません。しかしここが、本当に色々な個性の方が、朗読に取り組んでいるのだと実感します。

同じように技術は勉強しても同じ表現は全くないことが、朗読の楽しさでもあります!

みなさんの思いを朗読で伝えるお手伝いが少しでも出来るように、これからも頑張りたいっ、と勢いづいている私です!!

また次回の発表会も春に予定しています。
是非お越しくださいませ!!


   
 
     
 
     
 
     
 
     
 
 
   

【作品紹介】佐野真希子より

『草之丞の話』江國 香織
『菊』山川方夫
『むかしばなし』小松 左京
『とくべつな早朝』江國 香織
『あっけない勝利』アル・ナスバウム
『蜘蛛の糸』芥川 龍之介
『てんのり』三浦 哲郎


三浦 哲郎(みうら てつお、1931年3月16日 - 2010年8月29日)

今年8月末に亡くなられました。
ちょうどその少し前、7月初めにインタビューを受けた記事がWEBにあったので、紹介のつもりでちょっとまとめようかと思ったんですが、すでに記事に短くまとめられていて難しかったのでリンクにさせていただきます(笑)

東京新聞《TOKYO Web》
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/doyou/CK2010071002000201.html

『てんのり』は「みちづれ(短篇集モザイク 1)」におさめられています。
三浦さんは青森県八戸市出身で、青森を舞台にした作品も多いのですが、まさにこの作品もそうです。老夫婦の方言を含めた語り口もとても魅力的な作品です。


江國 香織(えくに かおり、1964年3月21日-)

『草之丞の話』は「つめたいよるに」におさめられています。
私は江國香織さんの「つめたいよるに」という短編集は読んだことがないのですがしかし!
知らない間に読破、いや聞破できそうな気が!?(笑)

それは大げさですが、この短編集は朗読される方が題材として持ってこられることが多いのです。この中の『桃子』という作品も人気です。

そこで、ちょっと調べていたのですが、江國香織さんは、『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』といった有名な作品もありますが、最初は児童文学雑誌に投稿した『桃子』が入選し、次に『草之丞の話』がある童話賞で大賞を受賞されていたんですね。

なるほど、児童文学と思うと頷けるところがたくさん。言葉は難しくない分、あれこれイメージをする気持ちが膨らんで、読み手もそれをどうやって表現しようか、という気持ちになってくるんじゃないかな。

ということで「つめたいよるに」第二弾!?
『特別な早朝』は個人的にはこの短編集で初めて聞く作品です(笑)
しかし、これもまた朗読発表会の「およそ8分程度の作品」にぴったりの長さです!少し早いけれどもクリスマスイブのお話。季節感たっぷりですね。


小松 左京(こまつ さきょう、1931年1月28日 - )

星新一・筒井康隆と共に「御三家」と呼ばれる日本SF界を代表するSF作家。
作品の映画化も多く最近では数年前に『日本沈没』リメイクされてましたね。

SF作家と言っても小松左京さんはとても色んなジャンルのものを書かれていて(漫画家としての作品もある)、執筆活動以外も本当に精力的にされてるんですよね。今回の作品『むかしばなし』は、小松左京さんのショートショートの一つ。いかにもSF作家!ではない方です(笑)


山川方夫

『菊』は山川方夫さんの「親しい友人たち」(昭和38年)という本に最初おさめられました。山川方夫さんは事故で、34歳という若さで亡くなっているので、そんなにたくさんの作品を残したわけではありません。

しかし、前回も山川さんの作品を読まれた方がいらっしゃって、この『菊』という作品も先日友人が「教科書で読んだことあるよ」とか、『夏の葬列』という作品も教科書で取り上げられていて、本当に色々な人に読まれてるんだな、と。。。
個人的にも、朗読すること含めてじっくり読んでみたいなと最近思ってますっ。


アル・ナスバウム(Nussbaum, Al(bert Francis)1934年−1996年)

『あっけない勝利』は「ミニ・ミステリ傑作選」におさめられています。
今回唯一の翻訳ものの作品です。朗読と言うとやはり、独特の翻訳の言葉よりも、日本語としての表現を大切にしたものが好まれるのは確かです。

ほとんどの作品は翻訳された時点で、言葉の響きよりも内容が重視されますからね。しかし、海外にしかない面白い表現もあります。私も海外のミステリ作品の翻訳ものを朗読をしますが、声に出しては読みにくい(笑)あの独特の言い回しのリズムを楽しみながら朗読しています。言葉の意味だけでなく、リズムという視点からも朗読を考えるとまた世界が広がります。

そんな意味でも、朗読会で様々なジャンルの作品が読まれることがとても楽しみです。

さて、この作家について一言。面白い経歴で、プロの犯罪者となってFBIに追われるんですが、逮捕され服役中に作品を書いてたんですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Albert_Frederick_Nussbaum


芥川 龍之介
(あくたがわ りゅうのすけ、1892年(明治25年)3月1日 -1927年(昭和2年)7月24日)

『蜘蛛の糸』は朗読の王道作品です!!
どんなお話だったか忘れてしまった方もこの機会にゆっくりとお聞きくださいませ。