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    朗読教室 受講生による第十回朗読会

発表会も十回目を迎えました。作品テーマは「夏」。

出演者(50音順)
垣内浩子/金木美穂/カンナ/北山阿梨/末冨喜子/たなかかず/
辻あきこ/出島ひろ子/洋恵/藤井ヒロミチ/山岡くみ子


日時:2011年7月18日(月・祝)14:30スタート
入場料:無料
会 場:NIJO poco a poco HALL
     tel 075-231-2993 京都市中京区西ノ京職司町8-2
     (JR.地下鉄「二条駅」徒歩4分)
 
 
朗読:垣内浩子  作品:『桃子』 江國香織

【本人のコメント】
「桃子」は前から朗読したい作品でした。何人かの方がこの発表会で朗読されており、ハードルは高め…。でもこの作品の中にホタル・セミ・浴衣・夏祭りなど夏の風物が美しく散りばめられていて夏にふさわしく感じます。

その美しさの中に繰り広げられるドラマ…。作品の中で語られる「人を恋するということはえらいことですわなぁ」この言葉に凝縮される朗読がしたいと思っているのですか…やはりハードルはとても高いです。

   
朗読:金木美穂  作品:『動物園の裏で』 川上弘美

【本人のコメント】
川上弘美さんの短編集「ハヅキさんのこと」から、「動物園の裏で」を、朗読します。なぜ、この作品を選んだのかと言えば、「ありそうで、なさそうなシーン」、「いそうで、いなさそうな人物」、すべてが、川上さんの世界観で表現されているところが面白いと思ったからです。

朗読に、その世界感とお洒落さを出すのに、苦労しました…ありそうで、なさそうな雰囲気を表現できたらよいなと思います。

   
朗読:カンナ  作品:『忘れじの宿』 浅田次郎
【本人のコメント】
かねてよりこんな作品が読んでみたいとナー思っていたイメージは京都を題材にしたものでした。そこで探し当てた作品が浅田次郎の『月下の恋人』の短編集の中から『忘れじの宿』です。

丁度6月の終わりから7月にかけて蛍が舞い飛ぶ頃 ”男の切ない思い” と京都弁を話す宿の女のやりとりがうまく表現できるか苦心のしどころです。朗読の奥深さとその楽しみを味わいたいと取り組んでみました。
   
朗読:北山阿梨  作品:『阪急電車』 有村浩

【本人のコメント】
今回は、有村浩さん作の阪急電車を選びました。中谷美紀さん主演で映画化もされた有名な作品です。阪急電車が駅に到着する度に人と人の交流が生まれるというストーリーです。

私が読む部分は女性なら誰でも?共感できる内容だと思います。しかしこんな女性のような体験はしたくないですよね!? 楽しんで聴いていただければ幸いです。
   
   
朗読:末冨喜子  作品:『手なし地蔵』 古木ちあき
【本人のコメント】
この作品は第9回フェリシモ文学賞の作品集から選びました。この回の募集テーマは「手にまつわる物語」。その名の通り「手」の出てくる作品が37編ほど集められています。

その中でこの作品を選んだのは、おじいさん×お地蔵さまという昔話の王道から生まれる心の触れ合いが、懐かしさと安心感を与えてくれたからでした。短いお話ですが聴き終えた後に、気持ちがほっこりする、そんな朗読ができたらなと思います。
   
朗読:たなかかず  作品:『箱の中のあなた』 山川方夫
【本人のコメント】
旅先でありがちな、日常の1コマからはじまる。が、その奥底には潜み隠れる狂気が。その見えない狂気…最後まで表現できずに本番を迎えます。(笑) 狂気は難しいです。 で、結局怪しさ全開になるより、フツーを選んでしまいました。(苦)  作品自体は面白いので、純粋に楽しんでください。
   
朗読:辻あきこ  作品:『15年後』 ヘレン・メリアン
【本人のコメント】
2回ほど続けて海外のミステリーを朗読したので、違った雰囲気のものをと思い作品を探したのですが、長さ、話の展開などなど考えていると、時間だけが時間だけが経って作品が決まりませんでした。そして、やはり行き着いたのが、「英米超短編ミステリー50選」に収載されている「15年後」(原題:Night and Day)という作品です。

日本語のタイトルは、読者に先に何か起こることを予感させますよね。朗読のタイトルとしては、日本語の方がいいのかななんて考えながら選びました。仲が良く、いつも一緒に遊んでいたもの静かな男の子と腕白だった男の子が成長し、15年後にある事件の場面で出会い、悲しい結末が……、と言う物語です。

今まで、勢いで朗読していたので、少しでも感情が込められれば良いのですが。

   
朗読:出島ひろ子  作品:『箪笥』 半村良
【本人のコメント】
これは珍しい石川県能登弁のお話。作者、半村良は金沢市泉鏡花賞第一回(1973年)受賞。その翌年能登半島を舞台にした短編集「能登怪異譚」を発表。

すべてが能登弁の語りであり『箪笥』の舞台は能登の漁師町。東京からの旅人がある民宿に泊まった夜の出来事。「言葉ではよう言われん…」不思議さは鏡花と繋がっている。

   
朗読:洋恵  作品:『きみが住む星』 池澤 夏樹
【本人のコメント】
恋人から送られてくる手紙と美しい写真の数々。変わることを恐れている彼女が、恋人のラブレターを読み、ひとり旅立つ決心をする。そんな彼女のこころの動きに寄り添いながら、旅へのあこがれを、大切なひとへの想いを感じていただけたらと思います。


まだまだ歩き始めたばかりで、つたないとはおもいますが、温かく厳しく見守ってくださいね。
   
朗読:山岡くみ子  作品:『蜘蛛の糸』 芥川龍之介
【本人のコメント】
芥川龍之介の作品は好きです。どんな人間もよいことをしていたら救いの手がある。細い蜘蛛の糸を手繰って極楽に上がろうとする発想、たった一言の為に地獄に落ちてしまう。起承転結のはっきりしたお話、面白いと思いませんか?